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いつもの暮らしを支えるために、耐震等級を知る

安心を支える構造2026年9月13日情報確認日:2026年9月13日

食卓を囲む時間、好きな場所で本を読む休日、一日を終えて眠る夜。家づくりでは、そんな日常を思い描きながら、間取りや居心地を考えます。

その暮らしを支える、家の骨組みにも目を向けてみましょう。仕上がると見えなくなる部分ですが、地震にどう備えるかは、家を選ぶうえで確かめておきたいことです。「地震に強い」という言葉を、具体的に理解する手がかりが耐震等級です。

耐震等級の数字は、何を比べているのか

住宅性能表示制度では、柱や梁などの構造躯体について、倒壊などを防ぐ性能と、著しい損傷を防ぐ性能を別々に評価します。耐震等級は、それぞれ1から3で示されます。

ここでは主に、大きな地震で建物が倒れたり崩れたりすることを防ぐ「倒壊等防止」の等級を見ていきます。

  • 等級1:法律で定める、極めてまれに起こる地震の力に対して倒壊などを防ぐ水準。
  • 等級2:等級1の1.25倍の地震の力に対して、倒壊などを防ぐ水準。
  • 等級3:等級1の1.5倍の地震の力に対して、倒壊などを防ぐ水準。

この倍率は、設計で想定する地震の力の違いです。震度の倍率でも、無事でいられる確率でもありません。国土交通省・住宅性能表示制度ガイド「構造の安定」

高い等級を目指すことは、より大きな力に備えるという意味があります。数字を知ると、どの水準で計画するのかを、具体的に話し合えるようになります。

「倒れない」と「傷まない」は同じではない

倒壊等防止は、建物が損傷しても、人命を損なうような壊れ方を防ぐことを目指すものです。等級3であっても、無傷であることや、修理せずに住み続けられることを約束するものではありません。

別に評価される「損傷防止」は、倒壊等防止よりも発生頻度の高い地震の力を対象にしています。同じ等級の数字でも、何を防ぐための評価なのかを分けて読む必要があります。国土交通省・住宅性能表示制度ガイド「耐震等級」

また、実際の被害は震度だけでは決まりません。揺れの周期や続く時間、地盤、建物の状態などによっても変わります。気象庁・震度階級関連解説表の留意事項

備えの意味を正しく知ることと、備えを小さく考えることは別です。できることと保証できないことの両方を理解して、計画を選びたいところです。

間取りの希望と、構造の理由を一緒に考える

庭に向かって大きな窓を設けたい。家族が集まる場所は、できるだけひと続きにしたい。そんな希望を整理するときに、構造の話も合わせて進めます。

例えば木造の家では、地震に抵抗する壁の量だけでなく、その配置のバランス、柱、部材をつなぐ部分、基礎などを確かめます。壁が多ければ、それだけで安全性を判断できるわけではありません。国土交通省・建築基準法関係Q&A

図面を見ながら、「この壁は何を支えているのか」「窓を広げたい場合、ほかにどんな方法があるのか」と聞いてみる。理由が分かれば、希望を諦めるかどうかだけでなく、別の配置や形も考えられます。

暮らしやすさを考えることと、構造を確かめることを、別々の作業にしない。住まいの形を決める途中で、両方を重ねていきます。

設計した性能を、どう確かめるか

弊社では、これから手がける家すべてで許容応力度計算を行い、耐震等級3を実現する方針です。

等級の説明を受けたら、誰が、どの資料や方法で確認するのかも聞いておきましょう。

第三者の評価には、設計図書を確認する「設計住宅性能評価書」と、施工中・完成時の検査を経て交付される「建設住宅性能評価書」があります。設計段階の評価と、実際に建てた住宅の評価は区別されています。国土交通省・住宅性能表示制度ガイド

打合せでは、目標の等級だけでなく、工事中に何を確認するのか、完成後にどんな図面や記録が残るのかまで話を進めたいものです。住まい手が計算をすべて理解する必要はありませんが、根拠の説明まで任せきりにする必要もありません。

壁紙や床材を選ぶときと同じように、見えなくなる部分にも、選んだ理由を持つ。家族が過ごす場所をどのように支えるのかが分かることは、納得して家づくりを進める土台になります。