土地探しで、私がいちばん大切にしていたのは、実家の近くであることでした。そのうえで、パッシブハウスを建てられる土地を探していました。広さや形だけでなく、周囲の建物との関係や、日差しをどう取り込めるかも考えながらの土地探しです。
最初に候補になったのは、今の土地よりも実家に近い、100坪ほどの長方形の土地でした。広さはありましたが、方位が45度ほど振れていて、南西側の隣家との距離が近くなるところが気になっていました。
そこは、周囲にもこれから家が建っていく場所でした。自分の家の位置をずらすなど、配置を工夫できないか考えていましたが、まわりにどんな家が建つかによって、日差しの入り方も変わります。まだ見えてこない部分がある中で検討を続けているうちに、その土地は売れてしまいました。
その後、同じ知り合いの業者を通じて出会ったのが、今の土地です。住宅街にある100坪の、ほぼ正方形の土地。南東側が道路に面していて、建物を北側に寄せれば、南西側に庭を取れる形でした。
庭側に主な窓を向けると、真南から45度振れた南西向きになります。庇による日除けなど、日差しの取り入れ方には工夫が必要だと考えました。
一方で、こちらは周囲の家がすでに建っていました。隣家との位置関係や日当たりを確認しながら、自分の家の配置を考えられます。敷地の広さと形を生かして、周囲の建物との距離も取れる。ここならパッシブハウスを建てやすそうだと感じました。
そして、土地選びでもう一つ大切にしたかったのが、「カーテンを閉めずに暮らしたい」という思いでした。
外からの視線を気にせず、いつでも外を眺めていられる。家の中で落ち着いて過ごしながら、外とのつながりや開放感も楽しめる。そんな暮らしに憧れていました。この土地なら、建物と庭の配置を工夫することで、その暮らしを目指せそうだと思いました。
庭をどこに取り、エントランスをどうつくるか。そのイメージがすぐに浮かんだので、決断はほぼ即決でした。
実家に近いことに加えて、日差しや周囲との距離を考えながら、希望する暮らしを具体的に思い描けたこと。それが、この土地を選んだ理由です。
土地が決まり、次は、思い描いていた暮らしを間取りにしていきます。南西側の庭をどう楽しむか。日差しを取り込みながら、外からの視線をどう遮るか。カーテンを閉めずにくつろげる家を目指して、建物の配置や窓の位置を考えていきました。次の話では、そうした思いを、わが家の設計にどう落とし込んだのかをご紹介します。
